【テファリキ】アセスメント「ラーニングストーリー」の考え方

ニュージーランド教育

テファリキ とは?

テファリキはニュージーランド教育省で1996年に初版が発行された幼児教育カリキュラムで、ニュージーランドのすべての幼児教育機関(国からの補助金をいただく施設は)テファリキに沿ったカリキュラムで運営されなければなりません。モンテッソーリ、シュタイナー、レッジョ・エミリア、コハンガレオ(マオリこども園)どの教育スタイルでもテファリキを軸にしてニュージーランドの幼児教育は行われています。

現場で働く私は、テファリキは日本版、保育指針なのではと思っています。

テファリキを使って子供のアセスメント【ラーニングストーリー】

ニュージーランドの子供の発達の記録を【ラーニングストーリー】という形態を使って、ドキュメンテーション、アセスメントとして記録、可視化しています。

子供たちの発達の記録として生まれた「ラーニングストーリー」この方法を産みだされたお二人の教育者マーガレット・カー先生、ウェンディ・リー先生のラーニングストーリー誕生秘話もステキなのですが、いつかの機会に。

私がオークランド工科大学の幼児教育学科モンテッソーリ専科を卒業したのは2005年。入学したのは2000年で子育てしながらのパートタイム学生だったので卒業するまで5年かかりましたが、その間、教育実習やまたそのご縁から働かせていただけるようになり、「ラーニングストーリー」も今から思えば試行錯誤中だったとみえて、現在(2023年)のラーニングストーリーとは全く違うフォーマットでした。

ですが、基本の軸は子供の「Waw!」というポジティブな学びの瞬間を残したい、そして、保護者や皆と共有したい、そして、それから、もっと新しいチャレンジ「What’s next?」にどんどんつなげていきたい、という趣旨は変わっていません。いまは、もっとその軸が、トライ&エラーを通して、洗練され、もっとよい方向へと進化し続けている気がするのが現場で働く保育士としての感想です。(今はは、レジョ・エミリア系の保育園でFull Registered teacherとして働いています)

ラーニングストーリーを書くことで三方良し!

ラーニングストーリーはもっとよい方向へ進化し続けている、と書きましたが、ここで書きながら、ラーニングストーリーを書くことは三方(保育者、保護者、経営者)良し!であると気づきました。

  • 保育者ー保育者の教育者としての成長につながる。自分の成長記録、エビデンスとして残せる
  • 保護者ー保護者とのコミュニケーション、リレーションシップを深める
  • 経営者ーマネージメント側、センターマネージャーや園の管理職側は、大きく2点
     ー 園の運営許可を更新するときのエビデンスになる
     ー 保育者の書く、ラーニングストーリーを見ることによって、保育者の成長を可視化、アセスメントする材料の一つとして使える。

私がラーニングストーリーを書く時に気を付けていること

保育者/教育者としての成長にもつながるラーニングストーリー。ざっと、思いつく、私が一人の子供に対してラーニングストーリーを書く時に気を付けていることをあげてみました。

  • 子供のWow!学びの瞬間、写真を撮った、そして、それはテファリキのどの学び(テファリキ5項目など)とつながってるのか?
  • このラーニングストーリーは子供のどういった発達につながっているか?
  • このラーニングストーリーから、次はどんな学びの機会がこの子の成長にいいだろうか?
  • 子供主体の学び、子供から発した学びかどうか?保育者の主導すぎではないだろうか?
  • 保護者の方のアスピレーション(子供の成長の願い、大事と思うこと)に寄り添っているかどうか?

改めて、書きだしてみると、ラーニングストーリーを書くことによって、自分の保育を客観的に見る機会、ニュージーランド流で言えば「Reflectionリフレクション:見直し」になっていますね!

また、この見直しから、次はこういう学び、成長を促す環境を設定したら、どうかな?この子はどんな様子になるかな?とポジティブな学びをストーリー、本のページをめくるよう、つなげていくのが、いいラーニングストーリーと言われています。

保育者もポジティブにトライ&エラーを繰り返しながら、自分スタイルの保育を見つけるのがニュージーランド流と言えると私は思っています。

私は英語が苦手でも、日本人で私、の保育を模索しながら、実戦中です!

【ラーニングストーリー】書く時の鉄則!

絶対にポジティブな書き方であること!

これは、Te Whāriki ‘s Vison テファリキの理念に強く基づくものです!

Our vision that all children grow up in New Zealand as competent and confident learners, strong in their identity, language and culture.

ニュージーランドでは、すべての子供たちは、有能Competent自尊心(主体性)Confidentを持つ学び手learnersとして、自分たちのアイデンティティ、言語や文化を強く持ちながら育っていく。

Ministry of Education, 2017, Te Whāriki p.2

テファリキが生まれた背景

また、このようなすべての子供たちを肯定する理念が生まれた背景に、実はニュージーランドの深い歴史があるからなのです。

It emphasises our biculturalfoundation, our multiculturalpresent and the shared future we are creating ( Ministry of Education, 2017, p.2).

それは、私たちの二文化主義を強調し、私たちの(ニュージーランドの)マルチ文化体制により未来をいっしょに作っていきます。

Ministry of Education, 2017, Te Whāriki p.2

このニュージーランド独自の二分化主義政治ポリシーは英語圏植民地文化を持つ国々の中でユニークなのものです。ニュージーランドにおけるIndigenous people 先住民族・マオリの文化をまさに、織り込んだ(ファリキ:マオリ語で織物)のがテファリキなのです。

子供の自己肯定感を高める、ニュージーランド幼児教育はテファリキ」が主導になっています。

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