ニュージーランド保育 : イギリスのハロウィーン ガイフォークス 歴史と火の用心、そしてその先を考える 

person holding lighted firecrackerNZニュース/雑学
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イントロダクション:ガイフォークスと私

スパークル花火

11月5日は ニュージーランドでガイフォークスデーと言われる、一年に一度、公に花火解禁の日なのです。また、ニュージーランドで花火は1年のうち11月2日から5日までの4日間しか買うことができません。それも、18歳以上で身分証明を見せないと買えないことになっているのです。


ニュージーランドに来るまでは全く知らないことでしたし、初めて日本から来たときは花火はものすごく高いし、線香花火もない。線香花火は花火の定番、最後の締め、だと思い込んでいたので、線香花火もどきのスパークルしか買えないのに、ニュージーランドに住み始めたころは日本の習慣を引きずっていたので、日本恋しく、悲しく思っていました。

11月初めになると、夜暗くなると、どこからか花火の打ち上げられる音が聞こえてきます。ガイフォークスデーと呼ばれる11月5日になると、有料花火ショー(Firework display)のイベントも行われます。会場に入るのは高いので車でよく見えそうな所へ行って花火だけ見に出かけたり。日本の花火大会には及びもつきませんが、打ち上げ花火を見ると、「たまや~」と心の中にで叫びながら、懐かしき日本での思い出がよぎります。

モンテッソーリ・プレスクールでガイフォークス


花火の日として、認識していたのですが、実はダークな歴史的事実から来たお祭り、と知ったのは私がモンテッソーリ園でイギリス人のマネージャーと働くようになってからでした。

彼女はイングランド出身だったので、nursery rhyme ナーサリーライム:わらべ歌として慣れ親しんで育ったのでしょう。彼女がマットタイムでリメンバー、リメンバーと節をつけて詠いだしたのを初めて聞いたとき、え!なんか、このわらべ歌、やばくない?って思いました。


Remember, remember, the 5th of November,

Gunpowder, treason and plot.

I see no reason

Why gunpowder treason

Should ever be forgot...

彼女が謳ったのは上記までで、まだまだ、続きます。怖い詩が続いていきます。

https://en.wikipedia.org/wiki/Gunpowder_Plot_in_popular_culture


マットタイムでわらべ歌と絵本を紹介したあと、今日はガイフォークスデーなので、これから外庭にでて、皆でスパークル花火をします、と話し、花火を扱う前の注意事項を話しあって、一人一本づつ、輪になって花火をしました。子供たちは花火もモンテッソーリ3 periods lessonに基づいたデモンストレーションに従って、花火を楽しみます(もちろん、注意が必要な子供たちもいるので、そこは先生として見ています)。各自、花火が終わったら水の入ったバケツにいれていきます。終了した子から外遊びの時間という流れで終了しました。

モンテッソーリ園では2歳児さんから5歳児さん(ニュージーランドの小学校は5歳から入学できますが、モンテッソーリの理念である3年サイクルを尊重して6歳まで過ごされる子供たちもいます)


一連の流れが終わったあと、彼女に、ガイフォークスって歴史上人物だったのですね!それで、ボンファイヤーになるのですね!と、ガイフォークス花火のあと、ボンファイヤーと呼ぶ大きな焚火をする習慣があるので、このお話を聞いてやっと私の中でつながった、ことをよく覚えています。日本では花火のあとに焚火をすることなどないので、不思議に思っていたのでした。

同じ英語圏でもイギリスとニュージーランドでは考え方が違っていたりして、当時は驚くことも多かったです。今は同じ日本でも土地が違えがいろんな違いがあることと同じように、当たり前だとわかるのですが、当時は英語が母国語の人はみんな一緒に思っていたのでした。

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子供たちのお祭りとしてのガイフォークスとその史実


しかし、ガイフォークスデー、よく考えるとすごいお祭りです。
400年以上前、1605年のイギリス、当時はキング ジェームスの時代のちのエリザベス女王は当時9歳王宮議会爆破計画が匿名の手紙により発覚、その首謀者のガイフォークスが逮捕され、拷問のあと処刑される、というイングランドの史実が、イギリスではハロウィーンのように、子供たちのお祭りになった、という・・

ガイ・フォークスはロンドン塔へ投獄され、1606年1月31日に処刑されます。

その後、当時のイギリス議会は11月5日をガイフォークスデーとして爆弾テロ計画未遂を祝う日として制定しました。

この下の写真でみるように、イギリスでは下町に住む子供たちは ボンファイヤーをする前に、‘penny for the guy’「ガイにお恵みを~」とご近所を歩いて、お小遣いや、bonfire toffeeという名の飴、toffie apple(りんご飴)が伝統的なガイフォークスのお菓子でした。

Penny for the guy taken 1950
1954 (Credit: Wikimedia Commons)ボンファイヤーの準備をする子供たち

現在、このイギリス独特の行事文化はすたれてきているようです(参照英文記事より)。

ニュージーランドでも近年は安全のためボンファイヤーができる場所が制限され、私は大がかりなものを見たことがありません。80年代、90年代前半は自由に行えていたそうです。この写真のように、これだけの薪を集めて火をつけるとなると、かなり大きな火になったことでしょう。


2022年のローカルニュースではガイフォークスデーの花火の音のため家畜が怖がりケガをするなど、もっと規制が厳しくなるような記事もありました。

ニュージーランドでのガイフォークス


ニュージーランド移民局の公式ページに花火とガイフォークスデーの案内ページがあったので、特に増加している中国系移民への配慮が感じられました。

その中の一文がニュージーランドのガイフォークスデーを表すのにぴったりでした。

In New Zealand there is very little focus on the reason for the celebration. It is simply a good occasion to get together with friends and family for some start of summer fun.

ニュージーランドでは、ガイフォークスデーの背景にフォーカスすることは非常に少ないです。シンプルに楽しい夏の始まりを友達や家族で過ごせるいい機会としています。

https://www.live-work.immigration.govt.nz/resources/fireworks-for-guy-fawkes 日本語訳キノコ

ガイフォークス よもや話 その1 小説ガイフォークス

ガイフォークスのことを調べながら、新選組の池田屋事件の日がお祭りになっていた可能性もある、なんて、ことを考えてしまいました。

ガイフォークスはコンスピラシー(conspiracy)の元祖とも言えそうです。

国会議事堂の酒樽倉庫に7月から仲間たちと準備を始め、最終36個も火薬を詰めた酒樽で国会議事堂爆破を綿密に計画していたガイ・フォークス。事件は当時の政治的、国際的思惑が複雑にからんでいたよう。もし、違う展開になっていたら・・

そんな思いは、お国が違っても誰しも思うもの。ガイ・フォークスを主人公にしたタイトルもそのままにフィクション歴史小説が1841年に発表されました。

歴史小説ガイ・フォークスは弁護士の資格を持つ、でも、その仕事に魅力を感じない、イギリス、マンチェスター生まれのアインスワース(William Harrison Ainsworth1805-1882) が出版業者 兼キングシアターの支配人でもあった、ジョン・エバーズ (John Ebers)に見いだされ、当時の文学雑誌に発表されました。その後、小説ガイフォークスはとても人気を博しました。その成功のあと、アインスワースは歴史ロマン小説家として40年も作家として活躍します。エバーズは自分の人脈や知識をアインスワースに紹介し、積極的にサポートした様子が感じられます。後に、アインスワースはエバーズの娘と結婚しています。

当時イギリスでは大作家だったアインスワース。ですが、日本人がよく知るアメリカ人、ミステリー作家、エドガーアランポー( Edgar Allan Poe1809-1849)はアインスワースに批判的なコメントを残しています。二人の生まれた年代が近いことから、アメリカとイギリスでライバル意識があったのでは、などと想像してしまいます。

ガイフォークス よもや話 その2 映画 V for Vendetta

そして、次に辿り着いたのが映画 V for Vendetta マトリックス作成チームの多くが参加、イギリスとドイツで撮影。80年代にイギリスで発表された同名のコミックをベースに制作され、2006年にリリース。最初の計画はガイフォークスデー400年記念になる2005年11月5日にオンエアされるはずだったそう・・・

このガイフォークスマスク、コロナワクチン強制命令が出た2021年、目にする機会が多かったのですが、映画の設定年が2020-2021年を設定されている、というのも興味深いです。デジタルID、ロックダウン・・・こんなあらすじが2006年にリリースされていたなんて。必然か、偶然か。

V For Vendetta は警告だった、私たちは試されている、

今の自由は何世代の血と涙があり勝ち取ってきたもの、一世代の怠慢、無気力でたやすく失うだろう。

なんて思いも浮かんできました。

映画のあらすじ

”V”と出会い、自分自身についての真実をも知るようになったイヴィーは、図らずも“V”の協力者となり、自由と正義を取り戻す革命のために立ち上がる。 予告編が字幕で見れます。

V と仲間が立ち上がり、打ち勝った、エンディングがうれしかったです。


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