ニュージーランドでは、子供の発達の記録を【ラーニングストーリー】と呼んで、ドキュメンテーション、アセスメントとして記録、可視化しています。
ラーニングストーリー今昔
子供たちの発達の記録として生まれた「ラーニングストーリー」
この方法を産みだされたお二人の教育者マーガレット・カー先生、ウェンディ・リー先生がご一緒に子供たちの観察をされておりました。そのとき、一人一人、その子の、学びの物語、として書いたら面白いのじゃないか!と、このラーニングストーリーのアイデアが浮かび、始まったそうです。
私がオークランド工科大学の幼児教育学科モンテッソーリ専科を卒業したのは2005年。入学したのは2000年で子育てしながらのパートタイム学生でした。卒業するまで5年かかりましたが、その間、教育実習やまたそのご縁から働かせていただけるようになり、「ラーニングストーリー」も今から思えば試行錯誤中だったとみえて、現在のラーニングストーリーとは全く違うフォーマットでした。
ですが、基本の軸は子供の「Waw!」というポジティブな学びの瞬間を残したい、そして、保護者やご家族Whanauと共有したい、そして、それから、もっと新しいチャレンジ「What’s next?」にどんどんつなげていきたい、という趣旨は変わっていません。いまは、もっとその軸が、トライ&エラーを通して、洗練され、進化し続けている、というのが現場で働く保育士としての感想です。(私は今、レジョ・エミリアのアプローチを模範とする保育園でFull Registered teacherとして働いています)
ラーニングストーリーを書く利点
ラーニングストーリーを書いていい所は三方どころか四方良し!であることです。
- 保育者ー保育者の教育者としての成長につながる。自分の成長記録、エビデンスとして残せる
- 保護者ー保護者とのコミュニケーション、リレーションシップを深める
- 経営者ーマネージメント側、センターマネージャーや園の管理職側は、大きく2点
ー 園の運営許可を更新するときのエビデンスになる
ー 保育者の書く、ラーニングストーリーを見ることによって、保育者の成長を可視化、アセスメントする材料の一つとして使える。 - 子供たちーポートフォリオを自分で見ることで、自分の学びを振り返れる。
ウェンディリー先生のセミナーに出席したときのエピソードですが、自分が教えていた子供たちのお祝い事に呼ばれたとき、ラーニングストーリーが入っている当時のポートフォリオを飾ってあって、素晴らしいものと作ってくれて、ありがとう!と感謝されて嬉しかった、というメッセージが印象に残っています。
私がラーニングストーリーを書く時に気を付けていること
- 子供のWow!学びの瞬間、写真を撮った、そして、それはテファリキのどの学び(テファリキ5項目など)とつながってるのか?
- このラーニングストーリーは子供のどういった発達につながっているのか?
- このラーニングストーリーから、次はどんな学びの機会がこの子の成長にいいだろうか?
- 子供主体の学び、子供から発した学びかどうか?保育者の主導すぎではないだろうか?
- 保護者の方のアスピレーション(子供の成長の願い、大事と思うこと)に寄り添っているかどうか?
改めて、書きだしてみると、ラーニングストーリーを書くことによって、自分の保育を客観的に見る機会、ニュージーランド流で言えば「Reflectionリフレクション:見直し」になっていますね!
また、この見直しから、次はこういう学び、成長を促す環境を設定したら、どうかな?この子はどんな様子になるかな?とポジティブな学びをストーリー、本のページをめくるよう、つなげていくのが、いいラーニングストーリーと言われています。
【ラーニングストーリー】書く時の鉄則!
絶対にポジティブな書き方であること!
子供の学びの様子を切り取り(Notice気づき)、その学びはどんな学びか(Recognise認証)、そしてその次へ(保育者としてRespond案内)を書いていきます。
保護者にお子さんの気になる様子をお伝えしたいときは、先に頑張っている様子を書いて、これからは、とめざす姿を書いて、ポジティブな書き方をしています。
ラーニングストーリーを書くにはまず、テファリキ理解が必須です。
テファリキをもっと詳しく、現場の情報を盛り込んだセミナー、好評をいただいております。こちらに体験者のアンケートを掲載しております。
セミナーではラーニングストーリーについても触れます。
ラーニングストーリーとテファリキを切り離して書くことができません。
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